非常に人気の高い、eMaxis Slim 全世界株式(オールカントリー)ですが、具体的にどのような商品かご存知でしょうか?
自身のポートフォリオ(投資商品の組み合わせ)を組むにあたり、その投資商品がどのようなものなのか、自身でしっかり理解することは非常に大切です。
今回は以下の流れに沿って、eMaxis Slim 全世界株式(オールカントリー)理解を深めていきましょう。
- emaxis slimシリーズの特徴
- ベンチマークはMSCI ACWI
- eMaxis Slim 全世界株式(オールカントリー)の特徴
- eMaxis Slim 全世界株式(オールカントリー)の国別構成比率
- eMaxis Slim 全世界株式(オールカントリー)の業種別構成比率
- オルカンの過去30年の平均利回りは約7.8%
◆ eMaxis Slimシリーズの特徴
eMaxis Slim(イーマクシススリム)シリーズは、三菱UFJ国際投信が運用するインデックスファンドです。
その最大の特徴は、業界最低水準の運用コストを、生涯に向かって目指し続ける事を掲げている点にあります。
ここでの運用コストとは具体的には”管理費用(人件費、売買手数料、監査報酬など)”を指します。せっかく投資をして利益が出ても、運用コストで利益がほとんど無くなってしまったということがないように、これらの運用コストをおさえることは非常に大切なポイントです。
◆ ベンチマークはMSCI ACWI
eMaxis Slim 全世界株式(オールカントリー)のベンチマークはMSCI ACWIです。
「MSCI」は、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル社の略で、「ACWI」はオール・カントリー・ワールド・インデックスの略となっています。つまり、eMaxis Slim 全世界株式(オールカントリー)は、モルガン・スタンレー社が作っている「ACWI」という株価指数に連動したインデックスファンドです。
MSCIの指数は、投資界では非常に有名な指数のひとつとなります。
◆ eMaxis Slim 全世界株式(オールカントリー)の特徴
eMaxis Slim 全世界株式(オールカントリー) 構成を理解するためには、先述した株価指数「ACWI」の内容を理解する必要があります。ACWIの主な特徴は以下の通りです。
- 投資対象国:先進国23ヵ国と新興国24ヵ国の計47ヵ国
- 投資銘柄数:2921銘柄(2023年12月29日時点)
- 株式市場の時価総額のうち85%をカバー
- 時価総額加重平均型
ACWIの最大の特徴は、時価総額加重平均を採用している点にあります。
上記の通り、ACWIは、47ヵ国の約3000銘柄とかなりの数の投資先で構成されている指数となりますが、すべての国、銘柄に対して均等に投資しているわけではありません。この時価総額加重平均は「時価総額が大きい銘柄には、たくさん投資する。時価総額が小さい銘柄には、少しだけ投資する。」仕組みとなっています。
時価総額が大きい企業というのは、株価が高い人気企業となりますので、人気の大企業ほど、たくさん組み込まれる仕組みとなります。
この仕組みにより、常に効率的なバランスにポートフォリオを自動調整してくれる特徴があります。
◆eMaxis Slim 全世界株式(オールカントリー)の国別構成比率
eMaxis Slim 全世界株式(オールカントリー)の投資対象国は、先進国23ヵ国と新興国24ヵ国の計47ヵ国となり、その比率は2023年12月29日時点でグラフの通りとなります。
eMaxis Slim 全世界株式(オールカントリー)が連動する株価指数「ACWI」では、株式市場を先進国、新興国、フロンティア(新興国より国が小さく、株式市場が未成熟な国)の3つに分類しています。ACWIでは、このうちのフロンティア市場は投資の対象外となっています。
また、これらの区分とは別にスタンドアローン市場というものがあります。こちらは、貧困や紛争など、何らかの問題の影響で株式の流動性が著しく低い市場ですが、こちらも当然投資対象には含まれません。
◆eMaxis Slim 全世界株式(オールカントリー)の業種別構成比率
オルカンの投資銘柄は、約3000銘柄とかなりの広範囲にわたりますが、その業種別構成比率は2023年12月29日時点でグラフの通りとなります。
それぞれの業種ごとの特徴は、以下の表の通りです。
◆オルカンの過去30年の平均利回りは約7.8%
eMaxis Slim 全世界株式(オールカントリー)が連動する、”ACWI”の過去30年(2024年4月末時点での過去30年)での平均利回りは”7.8%”となっています。
仮にこの利回り”7.8%”で30年間、毎月1万円を積み立てた場合のリターン金額は”¥14,127,398″となります。
将来の利回りが必ずこの数値になるというものではありませんが、過去30年の中には”リーマンショック”や”コロナショック”のような、株価に影響を与えるイベントがあったにもかかわらず、平均利回りが”7.8%”になっているということは、世界経済が長期的に成長していくことを示すエビデンスとなっています。長期で投資をすればするほど利回りもより平均値に収束していきますので、安定したリターンが見込める可能性が高くなりますので、1つの参考情報として押さえていただくと良いかと思います。